まずは、授業のワンシーンを見てみましょう。
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名詞、名詞です!
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その前にtoが必要だったよね?でも、このhomeは副詞だからtoいらないんだよ〜。みんな分かったかな?
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これは、自動詞と他動詞の違いへの理解が不足しているために、起こる間違いであると指摘されます。
一方、これには少し語弊があります。
私たちは日々の生活の中で、自動詞と他動詞の違いをしっかりと理解し、そして使いこなしています。
まずは日本語で、両者を比較してみましょう。
1. 自動詞と他動詞に関する、英語と日本語での差
台所周りを例にして、自動詞と他動詞を比べてみましょう。
自動詞(〜が / は) | 他動詞(〜を) | 英語(自・他共通) |
タマゴが温まる / 冷める | (私は)タマゴを温める / 冷ます | heat up |
お湯が沸く | (私は)お湯を沸かす | boil |
大根が切れる | (私は)にんじんを切る | cut |
魚が焼ける | (私は)魚を焼く | grill |
火がつく | (私は)火をつける | light |
皿が割れる | (私は)薪を割る | break |
袋が破れる | (私は)袋を破る | break |
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以下では、「boil」を例に取って考えてみましょう。
a Water boils. → 自動詞
※ 「water」の様に形が無い物質は、不可算名詞です。これは、単数扱いになるので、注意しましょう。不可算名詞が主語になる場合、三人称単数として扱うので、「boil」には三単現のsが付いています。
b I boil water. → 他動詞
※ 英語では、「”水”が沸騰する」もしくは「”水”を沸騰させる」の様に水基準で考えます。よって、日本語につられてお湯 = hot water としないようにしましょう。
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一方、以下の2点は日本語とは大きく異なる為、注意が必要です。
1. 「boil」のように、1単語が、全く形を変化させることなく、他動詞・自動詞2つの意味を持つ場合がある。
2. 英語では、主語を省略出来ないが、日本語では他動詞(b)を使用する時、主語を省略出来る。
英語には三人称単数が主語にくると動詞にsをつけなければいけないというルールがあります。ですから、主語は重要です。
日本語のように、主語が明らかな場合「お湯を沸かす。」として、「私は」を省略することは出来ません。必ず、「I bail water.」もしくは「He boils water.」のように主語を伴います。
2. 英語では他動詞に「〜を」の意味が含まれている
先ずは、前回のおさらいです。
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※ ウィズダム英和辞典(第3版)を使用しています。
boilー【自】
- (液体が)沸く、沸騰する
- (液体の入った容器が)沸いてCの状態になる
- (食物が)煮える
ー【他】
- (液体)を沸かす、沸騰させる
- (やかんなど)を沸かす、沸騰させる
- ・・を煮る、ゆでる
- AをC(の状態に)にゆでる
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沸かす対象(目的語)は動詞の後に必ず続くということです。
日本語の場合、目的語はしばしば省略されますが、英語では他動詞に「を」の意味が含まれるので、省略出来ません。
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A. 「今日は私、沸かすよ〜。」
この様に、目的語無しでも気軽に言えますが、英語にこの感覚を持ち込むと、意味が全く変わってしまいます。
A. Today, I boil . ⇦ 日本語のようにwaterを省略すると…
のように、完全に自動詞として取られてしまいます。
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よって、どんなにそれ(=沸かす対象)が明らかであったとしても、他動詞の場合、
I boil it.(= 私は、それを沸かす。)
のようにitを付けて表現しなければいけません。
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英語の他動詞には「を」の意味が含まれる一方で、「〜のために」「〜の中で」「〜によって」のような語の場合、日本語と同様「for」「in」「by」を伴って表現します。
- I boil water for tea.(お茶用に、お湯を沸かす。)
- I boil water in a kettle.(やかんの中で、お湯を沸かす。)
- I boil water by a microwave.(電子レンジによって、お湯を沸かす。)
今までの内容を踏まえて、以下の3点に注意しましょう。
1. 英語では、「boil」のように、1単語が、全く形を変化させることなく、他動詞・自動詞2つの意味を持つ場合がある。
2. 英語では、主語と目的語を省略出来ない。一方、日本語では他動詞を使用する時、主語と目的語を省略出来る。
3. 英語では、他動詞に「を」の意味が含まれている為、対象となる目的語が必ず続く。( ※ 一方、 自動詞には「に」や「で」の意味は含まれないので、「to」や「in」が都度必要。)
この3つのルールを覚えた上で、今回の本題「I go to school.」と「I go home.」の違いを考えてみましょう。
英語の動詞の訳には「~する」と「~をする」の2種類があります。
例えば、laughは「(人が)笑う」、watchは「〜を観る」と書かれているわけです。
これは、laughが「〜を」以下を必要としない自動詞である一方、watchは「〜を」の意味が動詞に含まれている為、目的語を必ず取ることを示しています。
1. 3つのルールを知れば、「go」は自動詞なのか他動詞なのかわかるはず!
それでは、もう1度同じ質問を…
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目的語を取るということは、「go」は他動詞なのかな!
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「他動詞は目的語をとる。」
どうやらこの教え方が間違いに繋がっているようです。
先ほどの3つのルールの3番目を思い出しましょう。
3. 英語では、他動詞に「を」の意味が含まれている為、対象となる目的語が必ず続く。
よって、「他動詞は目的語を取る。」ではなく「〜を」の意味が含まれるのが「他動詞」と考えるようにしましょう。
「go」は「〜を行く」ではないので、他動詞ではありません。
goは自動詞です。ですから、「I go.(私が / は行く。)」のように、行く先を述べなくても使用できます。一方、「〜に」の意味は動詞に含まれないだけで、「to」をつければ「〜に行く」という行き先を示すことも可能です。
必ず目的語を取らなくてはならない他動詞とは異なり、このように動詞単体で使用できるのが自動詞なのです。
そして、ここに「〜に」という意味を持たせるためには、以下のように「to」を付ける必要がありました、
「I go to school. (学校にいく。)」
これは、
「Water boil in a kettle.(やかんの中で、お湯が沸く。)」
でいう前置詞「in」と同様の働きです。
これらの「〜で」や「〜に」「〜によって」といった副詞的な表現は英語でも日本語と同様、しっかり語を伴って示さなければなりません。
「〜を」という意味が含まれる他動詞の様に、元から意味が動詞に組み込まれているパターンとは異なり、ここは日本語と一緒なのです。
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これは、「here:ここに」などでも同様です。「He goes here. (彼はここにいく。)」では「to」がありませんが、意味が成立しています。
ですから、「I go to home.」にすると、「私は家ににいく。」の様に「to」が重複している様に捉えられることもあります。
一方、あくまでこれは例外的なパターンで、「家に行く(帰る)」というよく使う言葉だから、「to」を省略するようになったのです。
一般的には、「I go to school.」のように自動詞は前置詞を伴います。