【基礎編】第2文型SVCと3文型SVOの違い|「She stopped crying. 」は何文型?



正解 → 第3文型SVO



She stopped crying.
訳:彼女は泣くことをやめた。(= 泣きやんだ。)
1. stop(他):〜をやめる
2. crying(動名詞≒名詞):泣くこと
3. stop(自):立ち止まる
4. crying(現在分詞≒形容詞):泣いている 

生徒A
(S = C が成り立つから、第2文型SVCかと思ってた..)
優しい先生
いえ、she ≠ crying(泣くことなので、S = C は成り立ちません。
生徒A
でも、she = crying(泣いている なら、成り立つんじゃ…

補語Cは、形容詞でもいいって習ったし…


この生徒さんは、S=Cという関係を基準に、何文型かを判断しているようです。

しかし、

S = C  が成り立つから 第2文型SVC

という導き方では、本例のように間違いに繋がることがあります。

第2文型SVC であるならば S = C 、が正しい表現です。

以下では、構文解釈の手順を学んで行きましょう。

構文解釈の手順1: 動詞に注目する


 She stopped crying.

副担任の先生
実際に辞書を引いて、動詞「stop」の意味をみてみましょう。

※ ウィズダム英和辞典(第3版)を使用しています。

 stop

ー【他】
  1. (動いているもの)を止める、制止する、抑える
  2. (進行中の事)を終わらせる、を中止する
  3. (stop V-ingの形で)(今している活動 = 〜すること)をやめる
  4. (stop 人 from V-ingの形で)(人が、Vすること)を止めさせる、妨げる 

ー【自】
  1. (動く物が)止まる、停止する
  2. (人などが)中断する
  3. (stop to V の形で)〜するために、立ち止まる、中断する


副担任の先生
他動詞の「stop」は「を」の意味を含んでいるので、「〜を止める」以降には、その対象となる目的語が必要です。

よって、続く「crying」は動名詞:「泣くこと」であると推測できますね。

その上で意味を比べれば…


  1. (stop V-ingの形で)(今している活動 = 〜すること)をやめる 

が正しい訳し方であるとわかります。
生徒
自動詞の「stop」は使えないの?


以下の動詞別の文型表を見てみましょう。
自動詞が動詞となるケースは第1文型第2文型でした。


中でも、後ろに補語C第2文型SVC、第3文型SVOに注目すると・・

動詞第X文型文の要素補足品詞例文
自動詞2SVCS = CCは名・形I am a student.
他動詞3SVOOを〜するOは名詞I play tennis.
優しい先生
注目ポイント

第2文型のVは自動詞。S=Cが成り立ち、Cは名詞か形容詞。

第3文型のVは他動詞。Oは名詞。
優しい先生
勘がいいですね!

stopは「〜をやめる(他)」「止まる(自)」の2つの意味。


cryingも「泣いている(形)」「泣くこと(名)」2つの意味を持っています

よって、条件的には第2、第3文型どちらにも当てはまるのでは、と考えてしまうのですね。
わたし
でも、どうやって見分ければいいんだろう…

以下では、この見分け方を学んでいきましょう。

見分け方1:まずは動詞に注目する 


動詞が他動詞である場合は、必ず第3文型SVOとなります。

よって、その動詞が他動詞なのか、自動詞なのかをまずは見分けましょう。

英語のStopには「をやめる(他)」と「止まる(自)」二つの意味が有ります。

辞書を引き、最も自然な和訳をすれば、以下のようになるのではないでしょうか。

 She stopped crying.
訳:彼女は泣くことやめた。(= 泣きやんだ。)

このstopは「をやめる」という他動詞ですね。

「〜を」が動詞に意味に含まれているので、他動詞は後ろに必ず、目的語(名詞)を取ります。

よって、続くcryingは、動名詞で「泣くこと」という意味になります。

彼女≠泣くことですから、S = Cにはなりませんよね

何故なら、これは第3文型SVOだからです。

優しい先生
ここで、補語:Cのおさらいです。

補語:C主語:Sの状態・内容を表すために存在しています。
(よってS=Cの関係が成り立ちます。)

表し方1:主語:Sの状態を、形容詞で表す

I am tired.(私=疲れている)

表し方2:別の名詞によってSを表す

I am a student.(私=学生)

先に動詞の種類に注目すると、構文解釈は比較的簡単にです。

一方、前述した通り、S=Cのみに注目すると、第2文型SVCとも取ることが出来ます。

これは、動詞より先に、SとCに注目してしまっているからです。

1-1. 試しに、動詞より先にSとCに注目して見ると…


動詞stopは気にせず、先にSheとcryingの関係に注目してみましょう。

彼女(S)= 泣いている(C) の場合は、S=Cの関係が成り立つと考えるのではないでしょうか。

よって、このcryingは現在分詞(= 形容詞)で「泣いている」と考えてみましょう。


※stopは他動詞「〜をやめる」の意味で和訳しています。

 She stopped crying.
訳:彼女は泣いているをやめた。

彼女(S)=泣いている(C)は成り立ちますが、文としてはギコチナイですね。

なぜなら、このstop:をやめる、は他動詞ですから、必ず後ろに名詞を取らなければいけません。(よって、続くcryingは動名詞で「泣くこと」とならなければいけません。)
この訳し方のように、後ろに形容詞を取ると、なんだかよくわからない意味になってしまいますね。

逆説的ではありますが、これが他動詞の後には名詞がくる理由です。

中1のわたし
stopには自動詞の意味もあるんじゃなかったの?

動詞は気にしていないとか言いながら、勝手に他動詞使ってるじゃん…
優しい先生
そ、そうですよね…!

stopには自動詞「立ち止まる」の意味もあります。
動詞に自動詞を取る第2文型SVCでは、自動詞の方が自然ですよね..。


以下では、自動詞stop「立ち止まる」をみてみましょう。

1-2. 自動詞のstopだったら、第3文型SVC…?


まずは、自動詞のstopを使った例をみてましょう。

例: She stopped to think about it.
訳:それを考える為に、彼女は立ち止まった。
ちなみに
to 以下は不定詞の副詞的用法として働いています。「to think about it」は副詞(句)で、「それを考える為に」という意味です。副詞は、S,V,O,Cの文の要素には含まれないので、この文は第1文型SVとなります。

このように自動詞単体で、OやCを伴わずに文を完結させる自動詞を、完全自動詞といいます。
ちなみに、副詞の見分け方は、主語や動詞と異なり、それが無くても文として機能する、という点です。


さて本題に戻り、このstopが「立ち止まる」の意味だったとして、本題を訳してみましょう。

She stopped crying.
訳:彼女は泣いている立ち止まる。

意味は成り立ちませんよね..!

仮に、このcryingが動名詞で「泣くこと」という意味だったとしても、「泣くこと、立ち止まる」の和訳となり、これも間違いです。

つまり、自動詞のstopは補語Cや目的語Oを後ろに取らないのです。

これを、完全自動詞と呼びます。第1文型SVの動詞は、完全自動詞です。

ですから、

She stopped crying.
   S   V<他>    O


のstopは、自動詞ではなく、他動詞です。

よってこのstopは「〜をやめる」の意味となり、続く、目的語O:cryingの品詞は名詞となるため、「泣くこと」と訳されます。

結果、以下の訳が正解となるのですね↓

訳:彼女は泣くことをやめた。


一方、後ろに補語Cを取る自動詞は、不完全自動詞と呼ばれます。

以下では、補語Cを取ることができる、不完全自動詞について、みていきましょう。

見分け方2:補語Cを取るのは、不完全自動詞


以下の第2文型 S + V
<自> + C では、同じくcryingが使われていますね。

このcryingは現在分詞の「泣いている」という意味で、主語の状態(補語:C)を表しています。

彼女=泣いている(形)ですから、S = Cとなります。



She kept crying.
 S  V<自>  C
訳:彼女は泣いている、ままでいた。= 泣き続けた。
※ keep(自動詞):〜のままでいる

優しい先生
本例のように、直後に「主語の状態(補語:C)」を要求する自動詞を、「不完全自動詞」と呼びます。
わたし
確かに、「keep:〜のままでいる」だけだと意味が不完全な気がする…
だから続くcryingは「泣いている」という主語の状態を表すのか。
優しい先生
所与として「〜を、〜が」などが動詞の意味に含まれ、後ろに必ず目的語をもつ他動詞とは異なり、自動詞はそれ単独で使えるものも多くあります。

これを完全自動詞と言います。

しかし、本例のように、主語の状態をその自動詞のみで完全に表せない場合、後ろに補語Cを取ります。

これを不完全自動詞と言います。


よって、第2文型SVCは、必ず不完全自動詞とセットであると覚えましょう。

以下が文型ごとの動詞の詳細な分類表になります。


第2文型SVCでは必ずS=C が成り立ちます。何故なら、Cは主語Sの状態を表すからです。

以下では、主な不完全自動詞をみてみましょう。

主な不完全自動詞


不完全自動詞となる動詞は少ないので、グループとして覚えてしまいましょう。

〜(まま)である・〜になる・感覚の3つです。

これで、第2文型SVCに使われる動詞をマスター出来ます。

全てS = Cの関係になっている点に注意しましょう。

1. 〜である・〜のままである

  • be:である・です
It is a pair of earrings.(それはイヤリングです。)

  • remain:のままである
The cat remains silent. (その猫は黙ったままだ。)

  • keep:のままである
You should keep warm.(あなたは温かいままであるべきだ。=冷えないようにしなきゃ。)

  • stay:のままである
I will stay awake until morning.(私は朝まで寝ないで起きているだろう。)

2. 〜になる

  • become:になる
She became a star overnight.(彼女は一夜にしてスターになった。)
※overnight(副):一夜で、一晩中

  • get:になる
She got married again. (彼女は再婚した。)
※married(形):結婚している

  • turn:になる
A paper may turn brown overtime.(紙は、時間が経つと、黄色くなることがある。)

  • go:になる
The screen went black suddenly.(画面が急に暗くなった。)

3. 感覚

  • look:に見える
It looks good. (それは良く見える。=良さそうだ。)

  • sound:に聞こえる、のように思われる
It sounds cool. (それはいい感じに聞こえる。=それ、いいね。)

  • taste:の味がする
This pie tastes terrible. (このパイはひどい味がする。=まずい。)

  • smell:のにおいがする
The air smells like old newspapers. ((その空気は)古新聞のような匂いがした。)

※like(前置詞)+名詞:〜みたいな、〜のような(=形容詞句)

補語Cは名詞か形容詞が入ります。

Be動詞・〜になるの場合は名詞になることもありますが、基本的に主語(=名詞)の状態を説明するのが補語Cですから、形容詞となることの方が多いです。

補語Cが名詞となる例

She became a teacher.(彼女は先生になった。)

いかがでしたでしょうか。

第2文型SVCか第3文型SVOを見分ける為には

①和訳して、「〜を」の意味が動詞に入っている→他動詞なので第3文型SVO
②補語Cを取る不完全自動詞が動詞である→S=Cの関係が成立する第2文型SVC

の2つを試すと、分類が容易になります。

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