分詞(participle)には過去分詞と現在分詞の2つがあり、いずれも動詞の性質をもちながら形容詞として用いられます。
前回は、その内の「過去分詞」について学習しました。
今回は、「現在分詞」について学んでいきましょう。
「現在分詞」は簡単です。動詞に「-ing」をつけるだけです。
過去分詞は「broken」・「written」のような不規則な変化をして、正直大変です。
でも、「現在分詞」は等しく「-ing」をつけるだけ。
それでいて、同じく形容詞(〜している・〜させる)として使える。
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目次
1. 現在分詞とは
まずは、原義を参考にしていきましょう。
ロングマン現代英英辞典を参考にしています。
▼ present participle(現在分詞) /prez.ənt ˈpɑːtɪsɪp(ə)l/ 読み:プレゼント パーティシプル
一方、「She is sleeping.(彼女は眠っている。)」で用いられるよう、継続する時制を示す際は、動詞(is もしくは be動詞)と複合した形で使用される。(= 現在進行形)
また、「the sleeping child(眠っている子供)」で用いられるよう、形容詞としても使用される。
ちなみに、現在分詞も2語以上の場合、対象を後ろから形容します。
例えば、以下の例を見てみましょう。
My daughter is next to the lady wearing the blue hat.
(青い帽子を被っているご婦人の、すぐ隣にいるのがわたしの娘です。)
「wearing(〜を身に付けている)」が「the blue hat(青い帽子)」、という目的語をとっているので(= 2語以上で使われているので)、「the lady(ご婦人)」を後ろから修飾しています。
※「next to ~(〜の隣にいる)」
1.2. 現在分詞を使ってみよう
以下では、現在分詞を使った例文をみて、理解を深めましょう。
3つ目では、現在分詞の形容詞用法による後置修飾が使われています。
- All existing business models are wrong. Find a new one. (全ての、現存するビジネスモデルは間違っている。新しい何かを探せ。)
※ exist:存在する → existing:存在している(現存する)
- The crying girl took a long breath and lay down on the sofa. (その泣いている少女は大きく息を吸い、ソファに横たわった。)
※ lay down on:〜に横たわる。(lie:横になる、の過去形。)
- Somewhere on this globe, every ten seconds, there is a woman giving birth to a child . (直訳:この地球上のどこかで、10秒毎に、子に生を宿す女性がいる。)
(日本語らしい訳:10秒おきに、この世界の何処かで、子供は産まれている。)
※ every (single) A = (1つ1つの、) Aごとに
※ give birth to A = Aに(= to)出生を授ける= A を産む
いかがでしたでしょうか。現在分詞は現在進行形で馴染みも深く、また単純に「ing」をつけるだけなので、過去分詞と比べて簡単に見えます。
しかし、重要なのは過去・現在に関わらず、「分詞は動詞が形容詞化した形」であるということです。これをしっかりと頭に入れて、次項に進みましょう。
2. 紛らわしい現在分詞の例 - 「interesting」を参考に
よく紹介される紛らわしい例として、以下が挙げられます。
「interesting」と「interested」の違い
このように、動詞が現在分詞と過去分詞で別れるとき、意味が重なり、混乱してしまうことがあるかもしれません。
動詞は異なりますが、動詞「confuse:を混乱させる」を参考に、以下の会話文をみて、コツを掴んでみましょう。
2.1. 「動詞:を〜させる」の、現在分詞は「〜させる(〇〇)」の意味
B:Yes, I’m so confused too. It really confuses me.
(わかる!僕も混乱させられている(和訳:戸惑っているよ)。
ほんと、それは私を混乱させるんだ)
上の会話文には、
動詞(=confuse:〜を混乱させる)
現在分詞(=confusing:混乱させる〜)、
過去分詞(=confused:混乱させられた(=した))、
全てが入っていますね。この会話から
動詞の「confuse」が「〜を混乱させる」という意味を持つから、
現在分詞で「confusing」になると、「混乱させ(てい)る〜」で、形容詞1となり、
過去分詞の「confused」になると、「混乱させられた(=した)〜」となり、形容詞2になる関係がわかります。
以下では、例文を参考に理解を深めてみてください。
- a confusing problem
(混乱させる問題) - The problem is confusing
(その問題は混乱させる。) - In her confused state of mind, she had convinced herself that he loved her.
(その困惑(させられた)した心の持ち用の中で、彼女は自分自身に、彼は私を愛していると言い聞かせてきた。)
※ convince ~self that 〇〇:〜自身に〇〇であると言い聞かせる(← 確信させる)。 - I still have confused memories of that strange event.
(私はまだ、その奇妙な出来事の、困惑させられた記憶を持っている。=その奇妙な出来事を、混乱して覚えている。)
このように、「動詞」が、現在分詞、もしくは過去分詞になる、と理解してから読むと、以前より理解が進むのではないでしょうか。
2.2. 「interesting」と「interested」も考え方は一緒!
「interesting」と「interested」の違いも、先ほどの例と、考え方は同じです。
以下では、まず動詞の「interest」の意味をおさらいしましょう。
▼ interest(〜に興味を持たせる) /ˈɪn.trəst/ verb [WITH OBJECT]
=「〜の興味を引く・〜に興味を持たせる」
- 動詞「interest:(〜に)関心や興味を持たせる」から、
- Sport has never really interested me.
(スポーツは私の関心を、一度も引いてはこなかった。=動詞) - The listeners were all very interested in the TV program.
(視聴者は、皆そのテレビ番組に興味を持って(持たされて)いた。=過去分詞) - There are three students who are interested in archaeology.
(考古学に興味を持って(持たされて)いる生徒が三人いた。=過去分詞) - I would be interested to learn more about his background.
(彼の背景をより深く知ることに、興味を持った(持たされる)かもしれない。=過去分詞)
現在分詞「interesting:関心を持たせる〇〇」
過去分詞「interested:関心を持たされた〇〇」に派生すると・・
- This is one of the most interesting books I’ve ever read.
(この本は、私が今までに読んだ本の中で最も興味(を持たせてくる)深いものだ。=現在分詞) - It will be interesting to see how she decides to spend the money.
(彼女が、どうお金を使う決断をするのかをみるのは、興味(を持たせてくる)深い。=現在分詞) - This building has an interesting history.
(この建物は興味(を持たせてくる)深い歴史を持っている。=現在分詞)
いかがでしょうか。
現在分詞は、動詞が形容詞になったもので、「〜させる」、という、モノの外部に与える特性を示すことが多い一方、過去分詞は「〜させられた(=〜している)」というその人やモノの自体の感情を表す
という見方を貫けば、どんどん両者の理解が増していきます。
形容詞から覚えていたけど、これ、動詞もあったんだ、と言うように学習方法が変化していくのも、楽しくなっていくのではないでしょうか。
例えば、
- 「tired(疲れ(させられ)た)〜」vs「tiring(疲れさせる〜)」
- 「disappointed(失望(させられ)した〜)」vs「disappointing(失望させる〜)」
- 「bored(退屈(させられ)した)〜」vs「boring(退屈(させる)な〜)」
などへの理解も膨らむのではないでしょうか。
是非、動詞の意味をベースにして、分詞を理解するようにしてみましょう。