【30分復習】現在完了形ってなに?(問題付き)

1. 現在完了形とは


現在完了形を理解するには、その概念を原義に沿って理解することが大切です。

ええっと...
確かに、「現在完了形って何?」って聞かれても、上手く説明出来ない…

実は、日本語には完了形が存在しないとされ、多くの学習者が英語の時制に接する際、戸惑いを覚えます。

これは英語のように完全な言語形式(have (has) +過去分詞)が存在しないためです。

確かに、日本語の動詞には「過去」「現在」「未来」の3種類しか無く、「現在完了」という形式はありません。

一方、定まった形式がない(動詞の前にhaveをつける..等)だけで、私たちは日本語においても同様の表現を日常的に使用しています。

例えば現在完了形には、完了・結果・経験・継続の4つの用法がありますが、これらを日本語で表すと以下のようになります。

  1. 完了:(ちょうど)~したところだ
  2. 結果:(もう)~した・~してしまった
  3. 経験:~したことがある
  4. 継続:~の間・~から、ずっと~してきた


いづれも、日常生活の中で使用頻度の高い用法ですね。

ここで、上記の例文は全て現在時制である(現在完了が現在の事柄を表す)という点に注意しましょう。

例えば、

  1. 完了:(ちょうど)~したところだ 

を例にとると、~が完了した時点は過去であっても、示している期間は、その過去から現在(発言する現時点)までの間です。

従って、現在完了形とは「過去から現在までの状況・状態」を示す時制、若しくは「現在につながる過去」を示す用法

であると覚えましょう。

(※「現在”完了”」という言葉につられて、ピンポイントである過去の時点を示す「過去形」と混同しないようにしましょう。)

ヒント
例えば、「ちょうど仕事が終わったところ」という発言をあなたが聞いたとします。聞き手のあなたからすると、彼には仕事をしていた過去があって、今は終わって帰ろうとしているのかな、という過去から現在までの流れが想像できます。過去から現在までの流れではありますが、あくまでもその状況自体は現在であることに注目しましょう。発言しているこの時点は現在です。

<過去形>

<現在完了形>

次に、現在完了形の正しい使い方、そして4つの用法(完了・結果・経験・継続)を一つ一つ、学習していきましょう。

2. 現在完了形の正しい使い方


前項では現在完了形には完了・結果・経験・継続という4つの用法があると説明しました。

また、現在完了形とは「過去から現在までの状況・状態・期間」を示す時制
であり、過去形とは区別する必要がある、とも学習しましたね。

以下では、過去形(◯)  現在完了形(◎) を交互に比較しながら、その正しい使い方を学びましょう。

STEP1 「完了」の現在完了形


◯ I phoned Kenta 2 minutes ago

(2分前に健太に電話した。)

過去形
→ ※phone: ~に電話をかける (過去形:phoned, 過去分詞形:phoned)

→  …ago, yesterday, in 19XX, last week, など、過去を示す副詞と一緒につかうのは本例

のような過去を表す状況です。完了形とは併用できません。

◎ I have just phoned Kenta.

(ちょうど健太に電話したところだ。)

現在完了形
→ 現在完了形は、<主語+have(has)+過去分詞>の型を用いて表現される。

→ just (ちょうど), already (すでに), (not) yet (まだ~ない), so far (これまで), recently (最

近)など、直近もしくは現在を示す副詞としばしば併用される。

STEP2 「結果」の現在完了形


I lost my keys yesterday.

(私は昨日鍵を無くした。)

過去形
→ 先ほど、過去を示す副詞と完了形は併用できない、と紹介しました。一方、

We have bought a new car this week. (今週新車を購入したところだ。)

など、まだ話している時点で終わっていない時を示す副詞とは併用できる点に注意しましょう。

I‘ve lost my keys!

(鍵を無くしちゃった!)

現在完了形
→ 現在完了形では、本例のように「主語+have」を短縮することができ、主に会話で使われます。

 短縮形は以下の通りです。

I have I’ve
You have You’ve
He, She hasHe’s, She’s
Mary hasMary’s
This, That, It has This’s, That’s, It’s
They haveThey’ve
have nothaven’t
has nothasn’t

He’s, Mary’s, It’s など、単純なbe動詞と同じ形になる短縮形は特に注意が必要です。後ろに続くのが過去分詞なのか、それとも名詞や形容詞なのかで区別しましょう。


STEP3 「継続」の現在完了形 


He worked here for 10 years. 

(彼は10年間ここで働きました。)

過去形
→ いつかはわかりませんが、その昔、10年の間彼はここで働いていた。つまり過去の話です。現在、彼はここで働いていないことが分かりますね。

He’s (has) worked here for 10 years.

(彼は10年間ここで働いています。)

現在完了形
→ 現在も彼がここで働いていることが分かります。

→ haveは、主語がheやshe、itなどの第3人称単数形の場合はhasになります。

STEP4 「経験」の現在完了形

He went to Osaka last summer.  

(彼は去年の夏、大阪に行った。)

過去形
→ 特定の過去をしめす副詞「去年の夏(に)」と一緒につかうのは過去形です。もし”last summer”が無く、「(いつかは言及していないが過去に)彼は大阪に行った」でも、もちろん可能ですが…

He has been to Osaka twice. 

(彼は大阪に二度行ったことがある。)

現在完了形
→ 「〜へ行ったことがある = 今は帰ってきている(経験の)」場合では
“be”(いる・ある)の過去分詞である”been”を使用します。

なぜ、”go”の過去分詞である”gone”を使わずに、”been”を使うかというと、「まだ帰ってきていない」場合、例えば以下のような例と区別する為です。

She’s (has) gone to Paris for a week. She will be back tomorrow.

(彼女はこの一週間パリに行っています。明日戻ってくる予定です。)

行ってしまって、まだ帰ってきていない感覚が伝わりますね。
例文を疑問文にすると・・・
→ 過去に行って、今は帰ってきているその人の経験を前提として質問するので

Have you ever been to Osaka?

(あなたは今までに大阪へ行ったことはありますか?)

のようにbeenを使用します。

疑問文にする際は主語とhave (has) がひっくり返る、と覚えましょう。

上記の例題: He has been to Osaka twice. / She’s (has) gone to Paris for a week.

では不規則な過去分詞(beenとgone)が出てきましたね。

ここがポイント
過去分詞はisやgoといった動詞の原型が変化した形です。基本的に動詞の過去形と同じものが多数を占めます。

例えば、phoneの過去形はphonedで、過去分詞も同じくphonedでした。
これは規則的な変化です。

一方で、先ほどの go-went-gone ように、中には不規則に変化する動詞もあります

以下では、不規則変化する動詞の例を見てみましょう。

現在形過去形過去分詞
iswasbeen
eatateeaten
comecamecome
speakspokespoken
givegavegiven

注意点!

※ put-put-put,  read-read-read, のように過去形も過去分詞も,原形と同じ場合もあります。

不規則形を覚えるのは大変と思われますが、使用頻度の高い動詞ばかりです。

使っていくと自然と覚えることができますから、諦めずコツコツと習得していきましょう。

次は、4つの用法(完了・結果・経験・継続)に関して、原義を参考にしながら学習していきましょう。

3. 原義に沿って用法をを復習しよう

以下は、現在完了形の4つの用法(完了・結果・経験・継続)について、冒頭で説明した内容です。

  1. 完了:(ちょうど)~したところだ
  2. 結果:(もう)~した・~してしまった
  3. 経験:~したことがある
  4. 継続:~の間・~から、ずっと~してきた

実はこれらの用法は、ランダムに日本語に当てはめて、用法化された訳ではありません。

英語運用能力評価試験IELTSを運営する、British Councilによって現在完了形の用法はまとめられています。

以下では、実際に英国政府公認の用法を、英語(訳付き)で学習し、各用法の復習をしていきましょう。


現在完了時制は以下の4つ事柄に対して用いられます。

① Actions completed in the very recent past (+JUST):

  (訳 → 非常に近い過去に完了した行動 Justと併用される)

これは、日本語でいう「完了」の用法に当てはまりますね。以下の例文を参考にしましょう。

  • Have you just finished work?
(ちょうど仕事が終わったところですか?)

  • I have just eaten.
(今食べたところだ。)

  • We have just seen her.
((私たちは)さっき彼女をみた(ところだ)よ。)

  • Has he just left?
(彼はちょうど出たところですか?)

  When the precise time of the action is not important or not known:

    (訳 →正確な動作の時点が重要ではない、もしくは不明なとき)

これは、日本語でいう「結果」の用法に当てはまりますね。以下の例文を参考にしましょう。

  • Someone has eaten my custard pudding!
(誰かが私のプリン食べてる!)

  • Takashi isn’t at home. I think he has gone shopping.
(たかしは家にいない。買い物に行ったんだと思う。)

  • I can’t get in the house. I’ve lost my keys.
(家に入れない。鍵を無くしてしまった。)

When we are talking about our experience up to the present:

    (訳 →現在までにつながる経験について話すとき)

これは、日本語でいう「経験」の用法に当てはまりますね。以下の例文を参考にしましょう。

  • My last birthday was the best day I have ever had.
(前回の誕生日は私の人生で一番のものだった。)

  • Have you ever met Akari?
(これまで、あかりにあったことはありますか?)

  • Yes, but I’ve never met her husband.
(はい。しかし、彼女の夫には会ったことはありません。)

  • ※ neverは「これまで〜したことがない」という everの否定の意味を持ちます。

④ For something that started in the past and continues in the present:

 (訳 → 過去に始まり、現在まで継続すること)

これは、日本語でいう「継続」の用法に当てはまりますね。以下の例文を参考にしましょう。

  • They’ve been married for nearly fifty years.
(彼らは50年近く夫婦です。)

  • I have known him since three years ago.
(3年前から、私は彼と知り合いです。)

  • He has been playing the guitar for three hours.
(彼は3時間ずっとバイオリンを弾いています。)
ここがポイント
現在完了進行形は、「have+been+動詞の進行形」によって構成されます。

現在完了進行形はある動作が過去から現在にかけて絶え間なく継続しているときに使われ、よって継続用法のみに存在します。
動作を表す動詞(play, kick, run, pullなど)が対象です。

一方、状態を表す動詞(know, marry, likeなど)の場合、通常は現在完了形が使われます。

例文を参考にすると、 ”I have known him since three years ago.” を “have been knowing” とは言いません。

練習問題

・以下のいずれかで正しい方を選択しなさい。

We have finished our work last week.  

We finished our work last week.


・以下の会話で、間違いを指摘しなさい。

A: Where have you gone?

B: I’ve just been out to the supermarket.


・以下の文章を訳しなさい。


He has been sick since last week.

I have come to school without my book.

I’ve been looking backwards all my life, as if I could change the past, which I cannot.

回答は次を参考にして下さい。

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