【初心者向け】不定詞の3用法の簡単な覚え方|名詞・形容詞・副詞



I want to get it.  を訳すとき、

「to get」が不定詞の名詞用法(〜すること)であると考えれば、以下のようになるのではないでしょうか。

私はそれを手に入れることが欲しい。

よって「(私はそれを)手に入れたい。」と訳されますが、

このように不定詞の用法に注目すると、少し見方が変わってきますね。

不定詞、つまり「to 動詞の原型」は本例のように名詞や、また形容詞・副詞としても使うことのできる、非常に便利な用法です。

中1のわたし
でも、見分け方が難しそう…

以下では、まず簡単な例をみてみましょう。


例 1

He set off early to avoid the traffic.
訳:その渋滞を避けるために、彼は早く出た。
※ set off 【自】 (for) = leave(for):(〜に)出発する、出る 
※ traffic:交通、交通量 ⇨ 渋滞

これは!
「〜のために」という目的を示すのね!確かにこれは見覚えあるかも!
「set off:出発する」と言う動作の理由を説明しているから、副詞のことかな…

そうですね。副詞を見分けるポイントは、それ無しでも文が成立する、ということです。
「彼は早く出た。」でも文は成立しますし、「彼は出た。」でも文は成立しますよね。これは、「to avoid the traffic」・「early」が共に副詞だからです。


では、次の例ではどうでしょうか。


例 2

To phone someone late at night is fun.
訳:夜遅くに(誰かに)電話をかけるは楽しい。
※ phone:他動詞(目的語を取る) 〜に電話をかける
※ late:副詞(無くても文は成立する) 遅くに
※ fun:形容詞(主語とイコールの関係) 楽しい

ふむふむ...
To 動詞の原型で、主語(=名詞)にもなったんだっけ!
「〜すること、〜するの(は)」って確かに文頭に持ってこれた気がする!

そうですね。「to 動詞の原型」で「〜すること」という名詞になりました。
本例のように文頭に主語Sとして使うことも出来れば、目的語Oや補語Cとしても使うことが出来ます。

いかがでしょうか。

以下では不定詞を、用法ごとに見ていきましょう。

不定詞とは 〜3用法を確認しよう〜


不定詞は準動詞の一つで、

動詞を含んでいますが、toと組み合わさることで、文中では名詞であったり、形容詞であったり、副詞という品詞と同じ働きをします。つまり、もう動詞ではありません。

不定詞が表せる、3つの品詞とその訳し方

不定詞 = to動詞の原型
名詞(的用法)  : 〜すること → 名詞 
形容詞(的用法) : 〜する、〜すべき〇〇 → 名詞の説明
副詞(的用法)  : 〜するために、〜して、するとは → 〜した理由


まずは、名詞(用法)から確認していきましょう。

1, 名詞用法

1. 「〜すること」という動作が作る名詞は不定詞の名詞(用法)によって表現されます

優しい先生
名詞になれるということは、主語S・目的語O・補語Cになれるということですね。

主語の例はわかりやすいですが、目的語と補語の例では、注意が必要です。

例えば、「〜をする」、という他動詞では後ろに目的語(=名詞)をとりますから、「to V」が来ることも可能です。

a
  My lifelong dream is to get married.
訳:わたしの生涯の夢は、結婚することです。
名詞として使われ、補語(C)の働きをしています。補語(C)ですから、主語(S)とイコールの関係になっています。


b
  I am trying to find something to do.
訳:私は、何かすることを見つけようと(ることを)しています。=何かすることないかな。
※ try to do = 〜しようとする
try【他】〜をやってみる、の目的語として、「to V」が使われています。 


c
  To fix a PC requires skills and tools.
訳:パソコンを修理するの(=こと)はスキルと工具を必要とする。
※ 主語として、「to V」が働いています。

2, 形容詞用法

2. 「〜する〇〇」、「〜すべき〇〇」という〇〇の性質は不定詞の形容詞(用法)によって名詞の後ろから表現されます

優しい先生
形容詞用法では、名詞や代名詞を後ろから修飾します。

前置詞を必要とする場合(= C)は(自動詞の不定詞)、注意が必要です。

a
  I want something to drink .
訳:わたしは、何か飲むもの(=飲み物)が欲しいです。
形容詞として使われ、「something:(何か)〜もの」という代名詞を形容しています。

※ somethingを修飾する形容詞は後ろに置かれます。
「something special:(何か)特別なもの」


b
  There are many movies to watch .
訳:沢山の見るべき映画があります。
※ 〜すべき、という意味で名詞を修飾しています。


c
  We finally found a house to live in.
訳:私たちは、ついに住む家を見つけた。
※ liveは「住む」という自動詞ですから、住む場所を示すには「in」が必要ですね。


d
  From its beginning in 1910, our hospital grew to play an important role in helping patients cure a serious disease.
訳:1910年の開業以来、当病院は、患者の難病治療を助ける重要な役割を果たすようになった。(成長して、〜を果たすようになった。)
※ grow C = C するようになる
⇨ Cは補語(名・形)の意。今回は、「to play:〜の役割を果たす(我々の病院)」以下が形容詞として、主語(our hospital:我々の病院)の成長した結果を説明する。(S=Cの関係が成り立つ。)

⇨ そのほかの不完全自動詞の補語Cとして使用される不定詞の例。
I’ve come to realize that it is true.
(それが本当と言うことをわかって来た。)
なお、「grow up to be A」を「成長して、(結果)Aになる」と言う不定詞の副詞用法(結果)に分類する参考書もある。

3, 副詞用法

3. 「〜するために(来た)」という動作の理由。また、「〜して(嬉しい)」「〜するとは(怒っているだろう)」、という感情に至った理由は不定詞の副詞(用法)によって表現されます

優しい先生
副詞用法の見分け方は「why:なぜ」や「how:どうやって」など、理由を質問をした際の答えになっている部分を探すことで容易になります。

a
  I came here to see you.
訳:わたしはあなたに会うためにここに来ました。
※ 「came here(ここに来た)」という行為、その動作の理由を説明しているので、動詞を修飾する副詞になります。
※「なぜここに来たの?」という質問の答えになっていますね。


b
  I was sad to hear the news.
訳:その知らせを聞いて悲しかった。
※ 〜して、という感情の理由を表しています。
※「なぜ悲しかったの?」という質問の答えになっていますね。


c
  He might feel lonely to say such a thing.
訳: そんなことを言うとは、彼は寂しいのかもしれない。
※ 〜するなんて、という判断の理由を表しています。
※「彼は寂しいかもしれない」という判断の、「なぜ」に答えていますね。


4, 【発展】不定詞を使った表現

4. 不定詞を使った慣用表現には、「仮主語(目的語)のit」や「ask(want) 人 to V:人にVするように頼む(して欲しい)」の様に、用法の品詞を明らかにして、文型として区分することが難しい表現もあります。

優しい先生
むしろ、文型として何故を考えない方がいい場合もありますが、各々が覚えやすい様に解釈することも勿論可能です。

a
  She will find it hard to change him.
訳:彼女は彼を変えることが難しいと分かるだろう。
※ 「to change him:彼を変えること」は先行する「it」の意味を後ろから表現しています。(仮目的語のit)
※ find A C = AがCであることがわかる。


b
  I happened to watch the car crash into the wall.
訳:たまたま車が壁に衝突するのを見た。
※ 知覚動詞(see, hear, feel, watch, notice・・)+ O + (to)不定詞
⇨ 知覚動詞、もしくは使役動詞が動詞として取られた場合、続く不定詞はtoが省略される。
※ happen to V:たまたまVする


c
  The hardest thing was to decide what color to paint the walls.
訳: 最も難しいのは、壁を塗る色(が何か)を決めることだ。
※ to decide:決めること(名詞用法)
※ what color to paint:塗る色(何色を塗るか)⇨ what color:何色 と言う名詞を後ろから「to print」以下が形容している。

〇〇詞的用法は、品詞であるってどういうこと?


不定詞は全て、名詞か形容詞、副詞いずれかの品詞と同様の働きをする、と前項では説明しました。
このように単語でなくとも、二語以上の単語の組み合わせによって、
名詞・形容詞等の品詞と同様の働きをするかたまり「句」と呼びます。

名詞句だったり、形容詞句という言葉に聞き覚えがあるのではないでしょうか…

昔のわたし
名詞句とか言われると途端にわからなくなる…

普通、名詞 = 単語な感じもしますが、先ほど不定詞の名詞的用法であったように、「結婚すること」と聞くと、これも名詞だと思いますよね?

このように、「結婚する」+「こと」で一つの名詞となっているかたまりを、「名詞句」と呼ぶのです。

名詞句であれば品詞は名詞となります。

文型の主語(S)や補語(C)として、今回も出てきましたが、不定詞のまとまりとして、名詞句となり、結果、品詞は名詞として見なされるから、主語や補語になっているのですね!

意外な不定詞の例


I want to do it. (わたしはそれをしたいです。)

例えば、意外かもしれませんが、これは不定詞です。

I want it.     (わたしはそれが欲しい。)

と、構造的には同じ、SVOの文になります。

というのも、wantは目的語を必要とする他動詞ですから、後ろには名詞、つまり名詞句も来ることが可能です。

よって、

I want to do it. (わたしはそれをすることが欲しい)

の、「to do it. (それをすること)」は名詞句、つまり名詞なんですね。

このように直訳すると堅苦しくなってしまうので、日本語っぽく

I want to do it.     (それをしたい。)

と省略されがちなのですが、これだと何故「to」があるのかよくわかりません。

日本語訳につられて、なぜそうなっているのかを見失うこともありますが、このように不定詞が各品詞に変化している時は要注意です。

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